アメリカ人と話していると「I like SUSHI!」とよく耳にします。
「どんなネタが好き?」と尋ねると「アボカド!」という返事だったこともあります。
「アボカドもアメリカ人にとっては立派な寿司ネタなのね・・・」と思いました。
私たちが想像する「お寿司」は新鮮なネタが艶々の酢めしに乗った「握り」ですが、
実はアメリカ人の多くが「SUSHI」と表現しているものは、
洋風にアレンジしたロール系のことを意味していることもあるんです。
「寿司が好き!」と言いながらも「生ものは苦手」なんてことは、
アメリカ人の寿司好きあるあるなんですよ!
実はアメリカでは「日本食ブーム」が来ています!
カロリーを抑えたヘルシーな食事に人気が出てきています。
地元のアジアンマーケットでも以前は自国の食材を求めて
来店するアジア人が客の大半を占めていましたが、
最近では白人のお客様が増えてきたように感じています。
今日は「アメリカ人が好きな日本食、人気のある日本食メニュー」について、
和食レストランで働いた私の経験と、ホームパーティーで
人気のあったメニューなどをご紹介していきますね!
「アメリカ人を自宅に招待することになったけど、どんな日本食を用意したらいいのか」
「アメリカ人とご飯に行く約束をしたけど、メニューは何が好きなのか」
「アメリカ人の舌に合わない日本食って何かあるのかな」
など、アメリカ人と日本食の関係についてお話を進めていきますね。
参考記事:アメリカ人の平均寿命が日本人より低いその意外な3つの理由とは?
アメリカ人におふくろの味は物足りない?
アメリカに移住すると恋しくなるもの・・・
「和食」です。
和食の中でも、子供の頃に「お母さん」が作ってくれたご飯、
いわゆる「おふくろの味」がとても恋しくなります。
特に、煮物は各家庭の母にしか出来ない「調味料加減」で、
優しい味だったことを覚えています。
しかし・・・
アメリカ人の主人に和食を振る舞ったときに、
「えっ!そんなに醤油かけないでよ!!ちゃんと味付けしてあるんだから!!!」
と何度か叫んだことがあります。
アメリカ人にとって「味付けが物足りない」「好きじゃない」
と言われた日本食をご紹介すると、
(※同じアメリカ人でも好き嫌いが分かれますので、
個人差があるということをお含み置きください)
「酢の物」
日本人のお酢使いの量で作ると「酸っぱすぎる」ようです。
ビネガーをそのまま食べているくらいに酸っぱいと主人は言っていました。
それ以降、酢の物を作る際には「酢の量に対して砂糖を多め」にしています。
「筑前煮」
アメリカ人は食感で「好き」「嫌い」を分けていることもあり、
レンコンのシャキシャキ感とコンニャクの食感が苦手のようでした。
苦手というより「今まで食べたことのない未知の食感」
というのが率直な感想でした。
また、「味が薄い」と言われて(調味料は日本人向けの量)、
筑前煮に醤油を回しかけされたときには、
作った私の心に結構ダメージがきました・・・
「炊き込みご飯」
結構手間のかかる炊き込みご飯は、具材の下ごしらえから大変ですよね。
実は、炊き込みご飯も「味が薄い」「ご飯の中に色々と入り過ぎ」と言われてしまい、
醤油を回しかけられました・・・
私の経験から、日本人の調味料「さしすせそ」は、
日本人の作る分量ではアメリカ人には
「味が薄い」と感じるようです。それはそのはずですよね・・・
アメリカ人は、チップスにはソースをディップして、
フライドポテトにもケチャップやBBQソースをたっぷり、
お肉にはグレービーソースをたっぷり・・・
アメリカは濃い味の食文化なので、
日本の調味料配合では物足りないのは理解できるのですが・・・
おふくろの味を再現した和食に「塩・胡椒」をたっぷりと振りかけたりと・・・
日本人には理解できない行動もありますが、仕方ないのでしょうね。
友人にこの話をしたところ、
「うちのアメリカ人の旦那も、肉じゃがに塩コショウめちゃくちゃかけるわー!」
と言っていました。
いわゆる「おふくろの味」は、アメリカ人にとっては
味が薄く、物足りないようです。
そして和食ならではのお野菜も苦手
(食べたことがない)なこともあるようです。
みょうがや銀杏などです。
またアメリカ人は日本食に不思議な「食感」のある食べ物があるようです。
先ほどお話した「レンコン」や「コンニャク」もそうですが、
「漬物」も好きと嫌いに分かれます。
「漬物」=pickles(ピクルス)なので、
アメリカ人は緑色のあのピクルスを想像するようですが、
日本のお漬物は食感がピクルスとはちょっと違いますよね。
ただし「福神漬け」は、初めて食べても「好きだわ」と答える人がいます。
あのくらいの大きさがいいのかも知れませんね。
参考記事:驚きのアメリカ人の食生活|一日4,000kcalの内容とは?
アメリカ人が好きな日本食7選
典型的な日本食、和食では「味が薄い」「物足りない」
と言われてしまうのであれば、一体どんな日本食が
アメリカ人には人気があるのか知りたいところですよね!
個人的な経験にはなりますが、
「おうちで出来るアメリカ人に人気のある日本食7選」ご紹介しますね!
①アメリカ人ウケする風味は何か?
・テリヤキ味はハズレ無し
・バターガーリック醤油風味にしてしまえば、「味が薄い」とは絶対に言わない
②焼き鳥はバーベキュー慣れしたアメリカ人には人気!
・塩コショウ味のみよりも、テリヤキ風味の方が好きらしい
・鶏の皮をから揚げにして、塩コショウたっぷりかけて、ピリ辛の洋風ソースを添えたものの好き
③豆腐はヘルシーなので好んで食べる人が多い
・豆腐の天ぷらは和食レストランなどでも食べられますが、「揚げ出し豆腐」は日本人だから知っているメニューで、しっかりと出汁を利かせて作るとウケがいいです。
④鶏のつくね
・ミートボール感覚なのか馴染みがあるらしく、抵抗なく子供も食べてくれます。
やはり鉄板の「テリヤキ風味」がいいそうです。
⑤餃子
・一緒に具を皮に包む作業をすると「神業」に見えるそうです。あのヒダが上手に出来なくて
アメリカ人たちは試行錯誤しながら楽しく作っていました。
・水餃子よりも、パリッと焼いて羽をつけてあげたものが人気があります。
・具の味付けは「胡椒」を気持ち多めに入れます。
⑥焼きそば
・野菜、お肉が一緒に食べられる
・子供たちが好き
・簡単に作れる
⑦ラーメン
・本格的な日本のラーメン(スープを煮込んでる)を食べたことのある人が少ない
・ラーメンと言えば、インスタントのイメージがあるらしく、スープまで美味しいラーメンは感動するらしい
・半熟卵は好き嫌いがはっきりと分かれる
・海苔はアメリカ人にはあまり人気がない。理由はスープに浸ってフニャとしていてグロテスク
ポットラックパーティーのように「持ち寄り」で行われるパーティーだと、
「数もいる」「冷めてもある程度美味しい」
「簡単に食べられる」ことも考慮してくださいね!
参考記事:アメリカ人ハートを日本のお土産でキャッチ!人気お土産inUSA
アメリカ人が拒絶しがちな日本の食べ物って?
私たち日本人にも食べ物の「好き嫌い」「好き苦手」があるのと同じように
アメリカ人も日本食に対して「好き嫌い」がありますので、
一概には言えませんが私の周りのアメリカ人、主人、レストランのお客様を
見ていて思った「アメリカ人がNG」の日本の食べ物をご紹介しますので、
ひとつの参考にしてみてくださいね。
①納豆
これは有名ですよね。
まずは「におい」。そして「見た目」です。
ネバネバと糸を引く納豆は見た目も、そのにおいも苦手のようです。
②刺身(生魚)
アメリカ人でも海岸部に住んでいて、新鮮なお刺身やお寿司のネタを
食べることに慣れている人は好きかも知れませんが、
私の住んでいる内陸部では取れたてすぐの新鮮な生魚を
手に入れることが出来ないため、生の魚は調理して火を通してから食べる、
というのが一般的な考え方なのかも知れません。
③生卵
炊きたてご飯に生卵と醤油があれば、おかずは要らないくらいですよね。
しかし・・・アメリカ人は生卵を食べません。
殻を殺菌してある卵でも生では食べません。
理由はサルモネラ菌を恐れているからです。
必ず卵は火を通して食べるため、半熟卵でさえも
食べないアメリカ人もいます。
④梅干し
酸っぱすぎるようです。
でも「梅酒」は大人気です。
ロック、ソーダー割りなどあっと言う間にひと瓶空いてしまうんです。
⑤たまごが詰まった魚
・ししゃもの卵は食感が苦手というアメリカ人もいます。
そして食べたあとに歯の間に詰まるのが嫌だ、
という意見もありました。
・イクラは、見た目がゾクゾクするらしいです。
また口に入れたときにプチプチと潰れるのが分かることも苦手な理由だそうです。
⑥海苔
口の中にくっつく感じが苦手との意見が多いです。
お寿司屋さんのロール系も海苔で巻かずに、
ゴマなどで代用していることが多いです。
⑦餅
いつ飲み込めばいいのか分からないそうです。
ガムを噛んでいるみたい、との意見あり。
お餅デビューしたアメリカ人は「So sticky!!!」(めちゃネバつく!)と言う感想が多いです。
参考記事:外国人が本当に嬉しいお土産8選!意外にもアレはNG?
家族団らんの日本の食べ物
我が家で何かしらのパーティーをやろう!ということになり、
時期も冬だったので「鍋」にしました。
具材は、至って普通です。お野菜、豚肉と牛肉、
つくね(鶏ミンチで手作り)、お豆腐、キノコ類に〆はうどん。
出汁は昆布からとりました。
そしてつけタレは2種類。
ポン酢だけでは「味が薄い」と言いだすだろうと思い、
手作りの「ゴマダレ(ゴマをすり鉢ですり、
醤油とマヨネーズで仕上げます)」を作りました。
アメリカ人たちは、「鍋」というスタイルが新鮮なようで、
「日本ではこうやって家族みんなでひとつの料理を囲み、楽しむのか!素晴らしい!」
とコメントがありました。
「そうだよ、お母さんが『今日の夜は鍋だから7時には帰ってきなさい』
と言ったら、鍋に間に合うように家に帰っていたよ」
と言ったところ、家庭にもよるけれどもアメリカでは、帰宅したら、
「冷蔵庫にピザの残りあるから、食べたいなら食べなさい」
みたいな光景はアメリカあるあるだから、
「この鍋スタイルは、家族の絆をつくる意味でも非常に意味がある!!」
と感動していました。
女性陣は「野菜もたっぷり摂れてヘルシーね!」
との意見もあり大人気でした。
ただし「直(じか)箸(はし)」に抵抗があるアメリカ人もいるので、
取り分け用のお箸を使い、生のお肉を掴むお箸も別に分けて
衛生面には気をつけています。
参考記事:衝撃!アメリカの医療を知っておかないと請求書を見て号泣!?
まとめ
アメリカでも「ヘルシー志向」な人が増えてきています。
お寿司や和食への興味、こだわりを持つ人が増えて、
私がレストランマネージャーをしていたときも
「これは家庭で自分でも作ることが出来るか?」
とよく聞かれたものです。
それに伴って、「お箸を上手に正しく使いたい」というアメリカ人も増えており、
「日本食はお箸で食べる」という日本人と同じようなスタイルを楽しんでいます。
環境に配慮して「マイお箸」を持参するレベルのアメリカ人もいるんですよ!
私たちが慣れ親しんでいる「日本食」の味付けがアメリカ人にとっては物足りないのは、
食に対するバックグラウンドが違うので避けては通れない問題だとは思います。
でもアメリカ人に「日本食を楽しんでもらう」という意味で、
少し味付けをアレンジして食べやすくしてあげることも大切なのかも知れませんね。
この記事を書きながら「卵かけごはん」が食べたくて、食べたくて仕方ありません・・・
日本のお米がふっくらして美味しいことはアメリカ人の日本食通の中では有名ですよ!
そしてアメリカ人のママが驚いたのは「日本の学校給食メニュー」です。
毎日、きちんと栄養のバランスが偏らないような献立で
「日本の給食は素晴らしい!」と感動していました。
ちなみにアメリカのスクールでは、ピザ、チキンナゲット、
マカロニチーズなど限られたメニューがローテーションしている献立です。
アメリカ人を日本食でもてなす機会があれば、
今日のお話が何か一つでも参考になれば嬉しいです!