「He is my mom’s boyfriend, not my daddy.」(この人はママの彼氏でパパじゃないよ)
と、子供がママと一緒にいる男性を紹介してくることは、ここアメリカでは全く驚くことではないんです!
こちらも「Why?」なんて質問しません。
先日も、子供のお友達の誕生日会にお呼ばれして行ってきたのですが、私はその子のママと会うのは初めて。一緒にいる男性はパパだと思っていたら、
「こちらは彼氏。2年間一緒にいるのよ。」
と、紹介してくれました。
そしてその後で、「この人、私の元旦那で子供の父親よ。」と、彼氏とは違う男性を紹介されました。
現在の彼氏も、元旦那さんもみんなで誕生日を祝うということは、もしかすると日本では
「いやいや、それはありえない」ことなのでしょうか?
子供の誕生日会やスクールのイベントには、現在の旦那さん、元旦那さんと再婚相手も来ることがある意味、アメリカでは当たり前です。「子供のため」だからなのです!
みなさんもご存知の通りアメリカは「離婚大国」と呼ばれていますが、
「離婚率はどれくらいなの?」
「離婚率が高いけど、離婚に伴う養育費の未払いはないの?」
「離婚率は近年上がってきているの?下がってきているの?その理由は何?」
など、アメリカ人の離婚率事情についてお話していきたいと思います。
数字で追いかけてみる!アメリカ人の離婚率
The statistics portalの「Divorce rate in United States from 1990-2016」によると、
次の4つのことが分かりました。
①アメリカの離婚率は、2016年は人口1000人に対して3.2という結果を示した
②1992年は4.8/2000年は4.0/2005年は3.6/2015年は3.1という結果であった(人口1000人あたり)
③2009年時点で、婚姻期間については「最初の婚姻は平均8年/2回目の婚姻は平均10年」という結果であった
④2009年時点で、離婚年齢は男性が平均32歳/女性が30歳という結果であった
婚姻率から比較してみると、やはり離婚率は約50%となり、アメリカでは2組に1組が離婚しているということになります。
「2組に1組」
という結果にはアメリカにいると納得できます。
子供のクラスメートのママたち、元同僚のママたち、よく行くお店で話すようになったシングルマザーの店員さん、そう言えば、周りに離婚を経験している女性たちはたくさんいます。
しかも全員、最初の婚姻での離婚です。シングルマザーで子供がいる人がほとんどです。
分かりやすく説明すると、私のアメリカ人の知り合い全員を離婚経験した人数で割ると、確かに50%くらいの計算になるんですよね。
アメリカではなぜ離婚率が高いのか?
アメリカでは50の全ての州で「No-Fault Divorce」が認められています。
No-Fault Divorceとは、浮気やDV(家庭内暴力)などの理由ではなく、どんな理由であってもこれ以上結婚生活を続けたくないと思えば、離婚できてその理由を正当化する必要がないということです。
また離婚するときに子供がいた場合「養育費強制プログラム」により、必ず養育費を支払わなくてはいけません。
アメリカ人の離婚率が2組に1組という結果について、まずは私の個人的な意見なのですが、
・アメリカ人は男女ともに「自分自身の人生を大切にしている」
・合わない相手と自分の時間を過ごしたくない
・子供がいる場合でも、「財産分与、養育費、子供に合う権利」については協議で決める
・養育費強制プログラムでシングルマザーになっても養育費が滞りなく支払われる
という4点がふと浮かびました。
日本とアメリカの離婚に対する考え方の違いについても考えてみました。
これも私の個人的な意見なのですが、
日本では、異性としてお互いの愛がなくなっても、決定的なことがない限り(浮気など)離婚への決断には至らないということと、やはり子供がいると離婚は躊躇うのかな、と思います。
これに反して、アメリカでは愛情がなくなることが、ひとつの離婚の決断の理由になり得るのではないか、と思います。
また離婚している人たちが多くいるので、離婚自体に対しての世間体みたいなものを気にする必要があまりないのかな、とも感じています。
あくまで個人的な意見ということをお含み置きくださいね。
アメリカでは養育費の支払いは絶対
「アメリカ人の離婚率」というテーマですが、「養育費」についても少しご紹介しておきますね!
私のアメリカ人の主人(離婚経験あり)に「養育費の支払い滞納した場合は、アメリカではどんな罰があるの?」と質問してみました。
答えは
「色々とペナルティーが科せられるけど、どこかに逃げても必ず探し出されて強制的に支払いさせるか、犯罪者として逮捕されて刑務所行きだよ。」とのことで、
「刑務所!!!???」
と驚いて色々と調べてみました。
アメリカでは離婚後の養育費の未払いを防ぐために強制的に養育費を支払わせるシステムがあります。
予め給与から養育費を天引きが原則なんです。(うちの主人も天引きされていました。)
所得税の還付金や失業給付金からも取り立てもできるんです。
滞納していると・・・
・$1000(1ドル=100円として10万円)以上を滞納するとクレジットカードを停止されることもあります
・車の免許を停止されます。車社会のアメリカで車の無い生活は厳しいですよね
・パスポート更新、発行ができない
・犯罪者という扱いになり、逮捕されて刑務所に収監されることもある
とても厳しく養育費を強制的に支払わせるシステムですよね。
それでも支払いが困難なケースに対しては行政が、父親に就職支援をしたりして「養育費が支払えるよう」に支援をしたりしているそうです。
強制的に養育費を支払いさせることだけではなく、「養育費の支払いができるように」という支援を同時に行っているようです。
近年アメリカ人の離婚率は下がってきている?
メリーランド大学のコーエン教授の調査によると、
「2008年から2016年の8年間でアメリカ人夫婦の離婚率が18%下がった」ということが分かったようです。
その要因としては
・初婚年齢が上がり、多くの女性が大学卒業または高等教育を受けていて結婚する年齢が上がったことにより離婚しにくくなる傾向があり離婚率を低下させたという報告もあるようです。
・結婚前に同棲することで離婚が減っている。
とのことです。
確かに私の周りにも「修士号、博士号まで取得するまでは結婚はしない!」と言っている
若い女性たちがいます。付き合っている彼氏も「結婚はまだ」ということをきちんと理解しているようです。
まとめ
近年、アメリカ人の離婚率が下がってきたという調査結果があるとは言え、それでも離婚率が50%というのは、やはりアメリカが離婚大国世界2位(厚生労働省:我が国の人口受態36ページ参考)なのも納得できます。
実際に私の友人や知り合いの女性たちも離婚している人の割合が高いです。
アメリカ人は簡単に離婚してしまうイメージですが、それでも離婚するにも弁護士を雇った場合には莫大な費用がかかりますし、心労も伴うと思います。子供がいた場合は養育費や親権についても決めなければいけません。
私の仲のいい友人は、2年前に離婚しましたが今は新しい生活を楽しんでいますよ!