私はアメリカに住んでいるのですが、日本の友人によく「日本人差別って露骨にされるの?」と質問されます。
何と答えるかというと「私は、露骨に日本人差別をされる地域には住んでいない。」です。
私の住んでいる街は、田舎なのですが白人が多い街です。ご近所も白人ばかりで日本人、というよりアジア人は私ひとりしかいません。
子供のスクールは全体的に、白人で金髪の子供たちが多いです。今のクラス24名中にアジア系アメリカ人の子供は私の子供を含めて2人です。
毎日子供がスクールから帰ってくると、「今日、誰と遊んだの?」と尋ねるのですが、やはり母親としてはアジア人ということで差別的な扱いを受けていないか、とても気になるのが正直なところです。
私自身、アメリカに住んで3年目ですが露骨に差別的な言葉を浴びせられたことはありませんが、
「この人、私のこと避けているよな・・・」という視線や態度に出くわすことはあります。
でも、これって私のただの思い過ごしかも知れないんですよね。
相手は別に日本人だからと差別しているつもりはないかもしれないのですから。だから、あまり気にしないようにしていますよ。
今日は、
「アメリカに旅行に行ったときに差別された経験があるけれど、アメリカ人にとって日本人差別は日常茶飯事なの?」
「アメリカに住むことになったけど、アメリカ人に日本人だからと差別されないか不安」
など、アメリカ人は日本人差別をするのか?ということについてお話しますね。
ただし、大きく広い「アメリカ」という国の中の私が住んでいる小さな街のことなので、ひとつの例として参考までに読んでいただければと思います。
差別に対するアメリカ人の反応
もしアメリカ人が日本人(アジア)差別をしている状況に出くわしたら、見ているアメリカ人はどうするのか?
上記URLは、アメリカの社会問題について人々がどう対応するのかをドッキリする番組
「What would you do?」です。
白人の両親役、白人の娘役、アジア人の婚約者役は全員役者です。
周りの人たちは役者が演技をしているとは知りません。
この動画を観て、恐らく私が住んでいる街の人々も同じようにカップルをかばってくれると思いました。
私自身、日本人差別的な酷い言葉を言われたことはないのですが、同じ街に住む日本人の友人は、
差別用語を1回だけ大きな声でおじいさんに言われたと言っていました。
そのときも、周りにいたアメリカ人の人たちが「気にするな。」と言葉をかけてくれたとのことでした。
みなさんは動画をご覧になってどのような感想をお持ちでしょうか。
二番目に出てきた年配の女性二人組のうちの一人が
「Today, life is very different when I was growing up.」
(最近では私が育ったときとは暮らしは随分違うと思うの)
と言っているように、「人種に関係なく人は幸せになる権利がある」という考えのアメリカ人たちが私の周りにも多いと感じています。
アメリカ人の日常の振る舞いを「差別された」と自分で決めつけない!
最近、2年振りに日本に一時帰国した際に思ったことは、
「やっぱり日本のサービス、接客はニコニコ笑顔でキビキビと動いていてどのお客様にも丁寧な対応で、お客様として気分がいい」
ということです。
みなさんもアメリカ旅行の際に経験されたことがあるかも知れませんが、アメリカ人の接客対応は、もちろん笑顔で優しく丁寧に対応してくれる人もいますが、中には
「これ、日本じゃクレームじゃないの?」
と思うような接客もあるのが事実です。
列に並んで待っていてやっと自分の番が来た時も、窓口の担当者は、無表情でめんどくさそうに「Next」(はい、お次)と呼ばれる・・・日本なら「大変お待たせして申し訳ございません」とか言ってくれるんですよね。
私はアメリカの航空会社をよく使うのですが、日本の航空会社を使うと日本人CAさんたちの対応は本当に丁寧だと感じます。
10年前にあるアメリカの航空会社を利用した際に、夜眠れずにギャレー(機内のキッチンみたいな場所)付近に立っていたら、「子供は席に戻って寝なさい!」とアメリカ人CAに言われたことがあります。
(私はアメリカ人の4年生くらいの体の大きさなので・・・)
私の場合ですが、これを「差別だ!」「日本人差別だ!」とは騒ぎません。
もしかすると白人には同じような対応はしないのかも知れません。
しかし、アメリカ人の対応あるあるだと思って「仕方ない」と気にしないでいます。気にし始めたらアメリカでは暮らせない、というと言い過ぎかもしれませんが、毎日の生活の中で「差別された」と何度となく傷つくことになりかねません。それでは心が持ちませんよね・・・
だから、「もう気にしない」の一択です!
「もしかして日本人差別されてる?」と思ってしまうアメリカ人の接客応対あるあるを3つ挙げてみると、
1.行政関係の手続きの窓口は完全な流れ作業的な感じなので、窓口担当者も無表情で淡々と作業をしているという対応が割と当たり前。
2.ファストフード店などで、商品の入れ忘れや注文の聞き間違い(こちらもネイティブではないので)が発生した場合でも「あ、ごめんね」という割とサラッとした謝罪である。
3.聞き返されるときに「Hah?」(えっ?)と言われるときがあるが、日本人からすると「はあ?」と同じように聞こえるので無礼に聞こえてしまう。
もしかすると自分が気にし過ぎていて相手は「いつも通り対応しているだけ」ということもありますよね。
ただし、例えばレストランで空席だらけなのに、日本人旅行者はトイレの前の席に案内された経験があるという話を聞いたことがあります。
せっかくの楽しい時間を不快に過ごさなければいけないなんて悲しいですよね。「他の席に変えていただけないか?」とお願いするのが妥当だと個人的には思います。
アメリカ人の「悪気なき差別」はたくさん存在するのではないか?
Washington Post によると「The most racist place in America according to Google」
という「アメリカで最も人種差別意識が高いと表示されている地域マップ」が発表されました。
(聞き取り調査ではなく、人々がGoogleでリサーチする「Googleトレンド」による結果)
「アメリカ北東部に集中し西部地方にかけてレイシズム(人種差別思想)傾向が高い」という結果が出たそうです。
みなさんは日本の文化、歴史、習慣に誇りを持っていますか?
私は「はい!」と答えます。
私の住んでいる街は日本人が少なく、日本について知っている人が少ないもの事実です。
日本から持ってきた着物をきちんと正しく伝統的に着ても
「GEISHA、GEISHAの衣装だよね?ねえGEISHAなの?」と、目をキラキラさせながら子供たちから言われたこともあるんです。
子供たちは、知っている言葉、観た映像の経験から悪気なく言葉を発しますからね。
明らかに相手のアメリカ人は悪気があって発言していないこともあります。知っている日本のことを言いたかっただけなのかも知れません。でも言われた本人は、差別のように捉えてしまう・・・難しい課題だと思います。
皆さんは「マイクロアグレッション」という言葉を聞かれたことはありますか?
1970年ハーバード大学の精神医学教授のチェスター・ピアス氏によって作られた言葉のようです。
「自分とは異なる人種、文化背景の相手に対して発言者が相手を傷つける意図なく、発した言葉の中に人種や文化に対する偏見、差別を含んでしまう“些細な攻撃”である」
という意味で、「それは差別だ!」と指摘しても「自分はそんなつもりではない!」となることもあるのです。
まとめ
「アメリカ人は日本人差別をするのか?」
みなさんもお分かりのように、「そのアメリカ人による」ということが全ての答えだと思います。
心を深く傷つける意図的な差別を受けた経験がある方がいるもの事実だと思います。
私の3年間のアメリカ生活の中では、あからさまに日本人差別をアメリカ人からされたことはない、
というのが事実です。私の住んでいる州は全体的に人種差別思想が低いとも言えます。
私は、あまり気にしない性格なのである意味、得をしているのかも知れません。
今回は、「日本人差別」という内容だったのですが、私自身も「マイクロアグレッション」について学ぶいい機会になりました。
これからは、人種、文化の背景が違う方と話す機会があった際には、
・質問は相手に対して失礼で傷つくような内容ではないか
・自分が無知で失礼にあたる質問かも知れないのならば、前置きで「知らないから教えてほしい」と付け加える
・相手からの答えを理解して尊重しているか
ということに気を付けていこうと思いました。
>>アメリカ人の自己主張に学ぶ“自分の存在価値”を伝える方法とは?